イタリアの伝説的なシンフォ・バンド。ヴォーカルが後にPFMに引き抜かれたことでも有名。ちょっとYESに似た感触のフォーク・スタイル。アコースティック・ギターとオルガンがシンフォニックに楽曲を構成します。ド派手な盛り上がりはありませんが、歌を大切にした作風に好感が持てます。メロディラインの陰になりがちだけど、ベースも結構動き回るタイプです。
大半の曲がロマンティックなメロディラインを持っていて、これがYESを牧歌調にしたような感じ。DRUIDにも似ています。
まず、１曲目のMorning Comesに彼らの個性が如何なく発揮されています。YES風のシンフォ・ポップです。ロマンティックで起伏のある展開。
２曲目のComic StripsはGENTLE GIANT風に目まぐるしく変化。
３曲目のScience Fiction Suiteは、まるでSteve Howe在籍時のYESのよう。牧歌調で穏やかなコーラスと、陽光のごとく輝くアコースティック・ギターが印象的です。このギターは聴きモノですよ。明るい雰囲気はDRUIDを思い出します。
４曲目のSong From A Pictureから６曲目のGoing Outまでの３曲でもDRUIDのように明るく伸びやかなフォークタッチのシンフォ・ポップが聴けます。やはりアコースティック・ギターがすばらしい。
５曲目のEducation Storyは、７０年代のYESのような美しいアコースティック・ギターが聴きモノ。
一転して、７曲目Three Hands Manはオルガンとベースを中心とした素早い展開のプログレ展開。収録トラックの中で最も長い８分という演奏時間。Chris Squireのような起伏に富むベース・ラインを支えとして、ジャズ・ロックっぽい展開も見せます。歌を中心としたフォークっぽいそれまでの楽曲とは異なり、インスト部分が充実した大掛かりなシンフォ作品です。でもおおらかさが失われずちっとも肩が凝らない。特に、５分３０秒からの展開が好きです。
心穏やかに聴けるフォーク／シンフォってところでしょうか。強くYESの影響を感じさせます。