シンフォニックでドラマチックなパワーメタル
ドイツ出身。劇的で広がり感のある”劇場型”パワーメタル。とりたてて演奏がうまいわけではありませんが、楽曲の壮大なスケールは他のパワーメタル系とは一線を画すものです。
プログレ・メタルと紹介されているようですが、プログレ度は低いです。パワーメタル９にプログレ１ぐらいの割合。
でも面白いのはインスト・パート。メタル以外の要素が垣間見られます。控えめにしているようですが、メンバーはジャズやファンクなどの素養も持ち合わせている模様。さらに技巧派プログレ・メタルへのベクトルも感じさせ、「そっち方面に行ってくれたら・・」今後に期待を持たせます。
ギターはヘヴィ＆ザクザク系でパワー一辺倒。ベースがチョッパーをやったりと毛並みが変わってます。ドラムはパワフル、シンセで壮大な雰囲気とシンフォニックな味付けを施します。ボーカルが非力なのが減点ですが。
インスト部分だけはドレームシアター風のドラマチックな展開に
ドイツのプログレ・パワー。DREAM THEATERに似ていると言われているが、そんなに似てるかなあ？ うーん、例えて言うならKevin Moore在籍時のDREAM THEATERをパワー・メタルに持って行ったような音。シンセの音色がKevin Mooreにそっくり。ギターも似ている。でも演奏の切れ味やメロディの質では圧倒的な差があるのは確か。
プログレ・メタルらしさが強く出ているのはインスト部分。歌部分はあまり面白くないが、インストになるとプログレ度は上がる。乱打に近いパワーメタル打法を基本とするドラムは複雑な拍子もこなし、がんばっているのはわかる。
パワー・メタル然とした部分が前面に出てしまって、パワーが苦手な僕にはしっくりこない。が、あえて探すなら４曲目、５曲目、６曲目、７曲目の各インストがそれなりにDREAM THEATERっぽいドラマチックな展開に。このままインストでやってくれたらいいのに。フュージョンっぽい部分もちょっとあって、そういう方向なら面白そうだけど。
パワーメタルのファンならもっと違う評価なのかもしれないけど・・プログレっぽいものを好む人には肩透かし。