これはいい！ 聞けば聞くほどじんわりとその良さが染みてきます。YESの構築美、GENESISの叙情性。瑞々しい音色と流麗な演奏。哀愁と気品漂う旋律はAnthony Phillipsの初期の名作The Geese And The Ghostを思い出しました。こんな素敵なバンドがチリから登場。しかもデビュー作ですよ。最近のシンフォ・バンドには旋律がキャッチーなものも多いのですが、本作はそこまで分かりやすくない。でもメロディは凄くいいのですよ。何度も聞けばその良さがわかるしくみ。
叙情的なんですが、その一方でリズムの手数が多いのも特徴です。変拍子もあります。
１曲目The Wharf That Holds His Vesselからもう凄いです。畳み掛けるように変拍子、気品溢れるピアノ・ソロあり、叙情シンフォあり・・こりゃたしかにAnthony Phillipsのようなシンフォニックの世界です。
２曲目Uncertain Lightsはアコースティック・ギターの音色が素晴らしいです。琴線メロ。
３曲目Clouds Motionもウェットで優しい音色。雨の景色が似合うシンフォです。この旋律、実にいい。
４曲目The Rise Of The White Sunは短い曲ですが心に残るフレーズがあります。その高い気品と流麗な演奏に感動します。
７曲目The Scarce Light Birthも組曲です。
夜の雰囲気ですね。深夜に聞くと特にいいですよ。
凄いバンドが出てきました。今後も注目です。