フュージョンを南米に移植してじっくり育てたらこんな感じになるのか。ラテンのリズムとフュージョンの流麗さが合体し、都会派ラテン・フュージョンが展開されます。ボサノバ系インストとも、またラテン・ジャズとも違う、ありそうでなかった音。たおやかで涼しげな感じがいいですよ。プログレ要素は弱く、メジャーなレーベルから出てそうな都会派志向の音です（ジャケは垢抜けませんが）。ブラス、サックス、透明感溢れるシンセ、情熱的なピアノ。
艶かしく跳ね回るピアノと透明感のあるギターが印象的な２曲目Anhelos Suren~o、アンニュイな雰囲気とたゆたうような曲調が気持ちいい５曲目Al Sur。
一転、激しいピアノに圧倒される９曲目Tonadaだけは、白熱したジャズロックです。技巧派リズム隊にラテンの旋律が鮮やかに駆け抜けます。感動。
ディスク・ユニオンで売られてました。バリバリのジャズロックが好きな人には物足りないと思いますが（９曲目を除く）、雰囲気はいいです。ＢＧＭ向きですね。艶やかな感じ。