LANFEARのAndy Hornがプロデュースしたドイツのプログレメタルバンドの２枚目。ギター二人を擁する６人組。メロディック且つスリリングな構成は、カムバック当時のDREAM THEATERに通じる懐かしい音色。テクニカルな展開もあるけど難解な部分は皆無。覚えやすく分かりやすいのがいい。どうやら、スタンスとしてまずメロディありき、ということのようだ。そのため、複雑なリズムやたたみ掛けるような展開が満載なわりには印象に残る曲が多い。パワー・メタルの要素も多分にあるが、そこに知的な展開を加えることでそこいらのDREAM THEATER系とは一線を画するくらいの完成度を誇る。キーボードが前面に出るパワー系ということと陰りのある曲想から初期ATHENAを連想させる。が、完成度はATHENAよりも本作の方が数段上だけど。メロディは陰りのあるものが主体で分かりやすいが陳腐さは感じられない。多少のヒネリが感じられるし、異なるフレーズで旋律を構成しようとする努力も垣間見られる。
ギターはメロディアスなタイプで、パワー系からアコースティックまで幅広い。非ザクザク系。軽くKeith Emersonを感じさせるEUROPE（懐かしいな〜）タイプのキーボードがプログレ度の高いソロを時折弾いてくれていて、二人いるギターと堂々と渡り合い存在感を強く感じさせる。リズム隊はパワー系に典型的な奏法を心がけるようだけど、知的な構成も上手くこなす。
２曲目Symmetryと４曲目Dreamingは流れるような展開のプログレッシヴ・パワー系。カリカリとした緊張感を漂わせ、畳み掛けるような曲展開と印象的なメロディ・・DREAM THEATERのファンに支持されそうな曲。
７曲目Obsidian Lies 激しくアグレッシヴな曲展開で、プログレッシヴ・パワーが好きな人にお奨め。
９曲目Fear Of The Rainもパワー系プログレメタルのお手本のような感じ。
技巧に走る演奏は無いけど、たたみかける展開と分かりやすいメロディがいいなあ。初期のDREAM THEATERが好きな人には十分アピールしそうですね。