ベース、ギター、ドラムスの３人組。RUSHのへヴィ・ロック解釈という感じかな。KING'S Xをシンプルにしてアヴァンっぽさを添加してスリリングにしたような感じとも言えそうです。さらに言うならFATES WARNING＋RUSHという感じもします。演奏は上手いです。ウネウネとした音からAlex Lifeson風まで多彩なギターと手数の多いベースが、くんずほずれつ絡み合いながらもスピーディに展開。そこに知的なドラムスタイルが加わって、一風変わった演奏になっています。ヴォーカルは多少野太く、とぼけた感じにはなってるけど。
とりわけベース中心に曲が構成されています。この個性的なベースラインに沿って楽曲を展開することが非凡な音世界を構築しているのでしょう。
メロディは悪くない。ややフックに欠けるため多少聴き込みが必要ですが、慣れれば彼らの世界を堪能できるはず。その丁寧に重ねあわされ作り上げられた演奏は、真にプログレッシヴの名に値する出来だと思います。個人的には５曲目のSomewhere In Lifeが面白かったです。インスト部分はどの曲もいいですね。
でも、ボーナストラックはなぜかSTYXのMr.Robotoのカバー。ヴォーカル以外はそっくりに再現して見せているんだが、よーわからん選曲だなぁ。
面白い音ではあります。アヴァンなへヴィ・ロックが好きな人にはお奨めできるかな。あと、とにかく変わったプログレ・メタルが聴きたい、という人にも。