ブラジルはミナス・ジェライス州出身のギタリスト。既に故人。シンフォというよりも情感豊かな室内楽という印象です。クラシックの壮大なつくりに、エレクトリック・ギターやドラムを取り込んだような感じです。外にはフルート、ベース、チェロが加わり、重厚なオーケストレーションながらも美しい旋律が印象的。
１６分もの大曲である１曲目Lembrancasに尽きます。起伏に富んだ構成、悲しげな旋律。重厚ですが、決して難解でないのが好感持てます。聴けば聴くほど深みが増しますね。前半はさざなみのように律動するピアノ、琴線に触れるフルートが牽引し楽曲を引っ張ります。後半は情熱的なエレクトリック・ギターがドラマチックに聞き手を翻弄。名曲です。
あとニューエイジ風の３曲目Caipira、Steve Howeを連想させるハード＆ラテンなコースティック・ギター作品４曲目Lucusもいいですね。
ギターとフルートがコラボした５曲目Brincadeiraは、牧歌調ながらも起伏のある展開です。６曲目Cavaleiro は前曲に哀愁を足しこんだようなつくりです。