カリフォルニアで活動しているミクスチャーなプログレ・バンドです。これがGENTLE GIANTとU.K.を無理やり合体させたような音。GENTLE GIANTからはコミカルなメロディと独特の変拍子展開を、U.K.からはシリアスな演奏とバイオリン・ソロを引き継いだという印象です。ギターはAllan Holdsworthのような奏法をしています。なにせ、曲ごとに曲調がばらばら。最初は戸惑いますが、GENTLE GIANT／ECHOLYNタイプが好きな人であればボーカル曲から、コアなフュージョンが好きな人ならインスト曲から聴くのがおすすめです。
１曲目 Merrily Barreling Through Barely
GENTLE GIANTタイプ。コミカルなメロディとリズム構成で有無を言わせずぐいぐいと引っ張ります。後半には鬼気迫るバイオリン・ソロが。いや、最初に聴いたときは呆気にとられました。慣れると痛快に思えてきますが。ECHOLYNにも似てますね。
２曲目 Turn It Down
コミカルでシアトリカルなボーカル。まるでECHOLYNが悪乗りしたような曲。叫ぶボーカルの後ろで、何気に聞こえてくるギターがなかなかに芸達者。
３曲目 That Constant Game
なかなかにコアな曲。GENTLE GIANTがシロフォン叩いて変拍子やってるところに、Allan Holdsworthがギター入れたような感じ。
４曲目 Aerial View
シンセによる静的な小品ですが、初期U.K.のAlaskaを感じさせる雰囲気です。
５曲目 Road to Europa
おお、プログレ・フュージョンですね。複雑なリズムが波のように繰り返されます。そんなリズム隊を従えて、まずウネウネとしたキーボードを主体に展開。２分４０秒からAllan Holdsworthがヒネたようなギターが・・Scott McGillにも似てます。その後はキーボードとギターが交互にリードを取るという構成に。
６曲目 You, He, She, It!
歌パートはGENTLE GIANT、インストはバイオリンが暴れるアヴァン・ジャズ風。ごちゃごちゃと垢抜けないところはTHE LEVELLERSっぽい。
７曲目 Searching...
クラシカルなピアノ・ソロ。
８曲目 Let It Ring
おお、白熱のジャズロックですっ！ 冒頭からバイオリンが熱い！ Eddie JobsonにDavid Roseが乗り移ったような（なんちゅう例えや・・）鬼気迫るバイオリンです。中間部がどよ〜んとしたミステリアスなパート。その後、再び高速バイオリン、そしてキーボードもすさまじいソロをやってくれます。例えて言うなら、U.K.が変態ジャズロックやってるような感じ。
ＧＧ ＋ ＵＫ、変拍子＋ジャズロック、コミカル ＋ シリアス・・凄いのか悪乗りなのか、よくわかりませんが、強烈でした。GENTLE GIANT、U.K．、FINNEUS GAUGE、Scott McGillの好きな人、聴いてみませんか？