LASER'S EDGEのプログレ・メタル専門レーベルであるSENSORYからのデビュー。CLOCKWORKなんかもそうだったけどどうもこのレーベルのバンド、質は決して低くはないのだけど、地味すぎるきらいがある。誠実かつ丁寧に作られているなという印象はあるんだけど、人気のMAGNA CARTAレーベル（註：９８年当時）との違いはエンターテイメント性とかわかりやすさがどうか、といったところになりそうだ。物悲しいメロディを貴重とした現代シンフォにプログレ・メタルを合体させたような感じ。ポンプ系とメタルとの合体という意味ではTHRESHOLDが先行組だけど、さらに精巧で緻密な音つくりに好感が持てる。物悲しいポンプ調のメロディと、重量ギターサウンドが交互に出てくるような構成。このギタリスト、ザクザクとしたメタルギターから宙を舞うような華麗なフュージョンっぽい音色や、ポンプ系の泣きのギターまでかなり多彩。かなりの技巧派だ。そこに、変幻自在なリズム隊が合流することで、メソメソ・ポンプからメタル然とした世界にまで一気に変転させるようなメリハリを保つ。キーボードはこれまた哀愁ピアノからメロトロン系の音色までをカバーしていて、まあモダン・シンフォに多いタイプですな。ちょっと陰りのある雰囲気がまた良い。
深みのある音像は完成度の高さを物語る。例えていえばDREAM THEATERが完成度の高さをそのままに、ポンプをやったような感じかな。静謐と重厚感が織り成すシンフォニックサウンド、あるいはメタリックな光沢を持ったメロディック・シンフォという趣か。どの曲もみな同じに聞こえてしまうのが難点かなあ。悪くないんだけどなあ。ポンプのファンには、こんなプログレ・メタルもあるんだよと、意外とアピールするかも。