初期KING CRIMSONのシンフォニック要素を受け継ぎ、９０年代に人気を博したANEKDOTENとANGRAGALD。北欧系ヘヴィ・シンフォとか暗黒系シンフォなどと呼ばれましたね。サックス、メロトロン、フルートを操り、深淵のそこから響いてくるような厚みのある演奏。暗く悲しい旋律。北欧には他にも同系統のバンドがいくつかあり、デビュー当初のKING CRIMOSNサウンドが北欧に息づいていたわけです。それから１０年。このサウンドを受け継ぐバンドがアメリカにいました。ジャズ・ロックのテイストも加え新たな進化を遂げたようです。サックス、メロトロン、フルートを大々的にフィーチャリングし深いシンフォニック。たしかにあのANEKDOTEN／ANGRAGALDタイプの北欧系ヘヴィ・シンフォです。ただし、暗さは軽減しスピーディな展開に。そして曲によってはジャズロックを取り入れて緊張感溢れる演奏になってます。
なんと言っても、１曲目Birds Flying Into Buildingsが飛びぬけて素晴らしい。ジャズロックのフォーマットにヘヴィ・シンフォを押し込んだ感じ。スリリングで重厚です。ANGRAGALDが変拍子で暴走しているみたい。畳み掛ける展開は痛快です。この曲を聴いたときはぶっ飛びましたね。
続く２曲目Terra Fireもジャズロック要素の強い作風、３曲目Tunguskaでは湿っぽいメロトロンノンと変拍子で駆け抜ける小気味良い演奏が圧巻です。後半にはサックス主体になってKING CRIMSONがジャズロックやってるみたい。
６曲目Yucatan 65 The Agitation of the Massは前半がヘヴィなシンフォニック、後半が北欧ジャズロックになっています。タイトルはユカタン半島だけど。
８曲目Battarionは複雑過ぎてコミカルですらある変拍子で貫かれています。KING CRIMSON ＋ BRAND X。ちょっとサムラ入ってます。怒涛のジャズロック。
純粋シンフォニックも収録されているのですが、ジャズロック色の強いトラックのほうが断然面白いです。