Keith Emersonの影響が感じられるキーボードと、KANSAS風のヴァイオリンを中心に
展開されるアメリカン・シンフォ。壮大だけど垢抜けないメロディでいかにもマイナー然とした音は、とても９０年代後半にリリースされたものとは思えない。例えて言うならELPをＢ級シンフォに したような感じかな。曲によっては７０年代のKANSASを壮大な音にしてかつシンプルに展開 したような感じ。他に例を挙げるなら、デビュー直後のMAGELLAN。壮大だけど粗野なと ころがちょっと似ています。また、やはりKANSAS似として知られたスウェーデンのZELLO ・・あのヴァイオリンを従えながらもどこかＢ級の雰囲気が漂うあたりが共通しているのです。
１０分を超える曲が多いものの、繰り返しが多い展開ゆえ冗長と感じられること と、メロディに魅力が乏しいのがマイナス査定。インストの途中には身を乗り出すよう なドラマチックなシンフォ展開があったりして悪くない。ですが、曲を最後まで聴くのは辛いな。例えば１曲目では、曲調がくるくる変わる６分あたりまでは、それなりの聴きど ころになってるが、そのあと思いっきり飽きる。ちなみにこの曲は約１３分。
個人的には、サックスが入って変拍子でグイグイ押すジャズロック調の４曲目が好き 。プロダクションも含め、とにかく荒削りでマイナーな印象の強い作品だけど、キーボ ードのフレーズはELP好きには強くアピールすると思います。このまま作品を出しつづけた らひょっとして・・という期待を抱かさせる音ではありますね。