新しい個性の出現ですね。アトモスフェリックなシンフォです。ゴシック・メタルとシンフォを合体させ、プログレのベクトルに向かって純化させたような音、と言えばいいのでしょうか。静的でありながら、ダーク。時に恐ろしいくらいの深淵を覗かせるサウンドです。この感触、今までのシンフォ分野では見当たりません。やはりゴシック系に近い感触なんですね。とは言えメタル色は非常に低い。THE FLOWER KINGSのメロディセンス、PINK FLOYDのシリアスさ、Peter Gabrielのボーカルが同居したような。この場合、抑揚を抑えたGabrielという感じですけどね。CARPTREEはボーカルとキーボードの２人組です。聖歌隊などのゲストも起用しますが基本、２人で作り上げている音です。ギターも出てきますが、ここぞという大切なところはピアノが出てきて重厚で存在感のあるフレーズを弾きます。楽曲がぎゅっと締まる瞬間です。
陰鬱だけどメロディアス。静かだけどドラマチック。この深い音、ちょっと他にありませんね。