フュージョンの影響も感じさせるインストルメンタルなメタル
インスト作品。DREAM THEATER / SHADOW GALLERY系のプログレ・メタルとDerek Sherinianタイプのフュージョンを行ったりきたりする音楽性。ギターはメタルで鍵盤はプログレ志向です。
メタルとフュージョンを行きつ戻りつする1曲目Centrica Experience、緊張から哀愁、さらにはほのぼの系までくるくる変わる2曲目Secret Vision、なぜかVANGELIS風のシンセ・サウンドの3曲目D.N.A. (Part One)、KANSASをインストにしたような5曲目Reality and Illusion、メタルはまったく感じさせない哀愁ギターで引き倒す6曲目Dulcedo。
何よりも最後の7曲目Eternal Dimensionがいいです。PLANET Xと初期DREAM THEATERの中間のような。純然たるプログレ・メタルと呼べるのはこの曲だけかも知れません。駆け抜けるダークなオルガン、美しいピアノ、躍動感溢れるオルガン・・・かっこいいです。こんな感じの曲がもっとあればいいんですが。
Derek Sherinian / PLANET Xと初期DREAM THEATERが好きな人には面白いと思います。ただ、締りのない演奏になってるのは残念。ボーカルがない分、どうしても求心力という点でハンデがあるわけで。もう少し速い展開があるとか、キラー・フレーズがあればよかったんですけどね。DREAM THEATERにせよPLANET Xにせよ、プログレ/メタル界隈ではこのあたりを目指す人は非常に多いわけで、似たような音が氾濫しています。いかに差別化して、聴いてもらうのか。"PLANET X系なら聴いてみようか・・"と思う人(私を含む)は多いはずですが、聴き続けてもらえるかどうかが重要なんでありまして。そういう意味では、いい意味で期待を裏切るようなインパクトが無いとねえ。という訳で・・次、がんばってください。