ドイツのメロディック・ハード。パワーメタル、オルタナの要素もある。パワフルな演奏と歌中心のわかりやすい構成が清々しい。リズム隊はパワー・メタルの要素が強く、ドコドコドコドコ・・という典型的なリズム。だが、キーボードが前面に出てくることが多くピアノやオルガンを使っていて、類型的なメロディック・パワーとは一線を画す。どうやら キーボードの発言力は強いようだ。そのためプログレ・ハードっぽく聞こえる部分もある。メリハリの効いた演奏も魅力で、とりわけ音の切れ味は抜群。痛快だ。
歌パートが曲の多くを占める上にメロディラインは親しみやすいものが多い。メタル然としたメロディもあるが、なかには印象に残るような美しいものもある。●●風といった類型的なメロディック・ロックではないところがいい。
ボーカルはGeddy Leeタイプのクセのある声。その個性的な声のせいか、様々なタイプの曲をやっても違和感がない。
コーラス展開がマイナーなシンフォニックものみたいな３曲目、オルタナ寄りの味付けと秀逸なメロディラインが魅力の４曲目、８０年頃のRUSHがメロディック・ロックをやっているような７曲目がいい。