シリアスでダークな曲調、そして知的な展開を持ったプログレ・パワー。例えて言うならDREAM THEATER、PAIN OF SALVATIONといった正統派プログレ・メタルに、CONCEPTIONタイプの音圧パワー・メタルを加えた感じ。さらにEVERONのようにメロディック・シンフォな感触を持ったプログレ・ハード系の曲も演奏しています。実に守備範囲の広いバンド。非凡なセンスを感じたのは３曲目In My Own Dream。曲展開も旋律も、タイトルどおりムーディであり、どこか不可思議な雰囲気に満ちた曲。まるでミステリアスな夢を見ているような心地です。
インスト小品の４曲目Shadowsongを挟んで５曲目Throughがまたいい。ウェットなギターとキーボードがドラマチックにうねるプログレッシブな曲。情感豊かでそしてシリアス・・・EVERONとKING'S Xを合体させたような感じかな。
ダークなシンセと畳み掛けるような曲展開が魅力の７曲目Le Temp Des Assassinsは、シリアスなA.C.Tって感じ。RITUALをメタルにしたような音とも言えそう。８曲目Sorryの変なポップセンスはRITUALそのものかも。
終盤の４曲（組曲構成）はあまりピンとこなかったけどねー
圧倒的な音圧で押す曲よりも、ミドルテンポでいいからシリアスに盛り上げる曲の方がクオリティが高い。シリアスであってもフレーズが印象的だったり聞きやすい構成にしてある。個人的な好みでいえば好きな曲と苦手な曲が半分づつ収録されているって感じ。
さっと聴いてピンと来なかった人には（それって多分プログレファンだと思うが）３曲目から聴くことを薦めます。