GENESISの影響を強く受けた英国バンド。９０年代初頭から現在に至るまで活動を続けています。これが第一作目。今はなきSI MUSICからリリースされたアルバム。それにしてもGENESIS似のバンドってこんなにたくさんあるのだろうねぃ。YESやKING CRIMSON、PINK FLOYDなどに似た音を出すバンドはそれぞれいくつもあるけど、GENESIS系って特別ですね。その数は群を抜いてるし。８０年代のポンプのムーブメント以降、「ポンプ」とか「メロディック・シンフォ」と呼ばれたバンドの大半がGENESIS系だったもんね。
GENESISに影響を受けた音というよりも、メロディラインも構成もギターの音色も歌い方までGENESISそのものというバンドもかなりある。これもGENESIS系バンドの特徴ですね。なんかもう「GENESISになりたいっ」みたいな。
んで、このCITIZEN CAINもそのひとつ。まず、ボーカルが若い頃のPeter Gabriel。声質も歌い方もかなり似てます。キーボードもギターも当然そっくり・・
Peter Gabriel在籍時のGENESISに強く影響されていた初期のMARILLIONが思い起こされます。もっともプロダクションはあまりよくないので、メジャー・デビューしていたMARLLIONには完成度では遠く及ばないけど。
フルートも参加。キーボードは湿っぽい音を好み、IQを連想させる部分も。ちょっとしたフレーズや歌い方のそこかしこにも「それっぽさ」が感じられ、GENESIS好きなのねえと微笑ましく聴いてしまう。GENESISファンにアピールしそうな、印象的なフレーズを作るのが上手い。
ポップでゆったりとしたアルバム前半とスピード感のあるアルバム後半。特にアルバム後半はスピード感があってスリリングさが増してます。緩急を自在に操りドラマチックになってる。変拍子もある。後にいくほどクオリティは高い。
ざっと聴いてみてピンとこないようならラスト２曲から聴くといいかも。最後は１３分の大作なんですが、これがなかなかドラマチック。音の密度も高く展開も早い。ちなみに、１０分を越える大作は４曲も収められています。
だけど前半の２曲はちょっと退屈。本人達は必然性があると感じてるんだろうけど、繰り返し部分が多くて平坦な印象です。ギターとキーボードが絡み合うインストなど聴きどころはあるんだけどね。もっとタイトにしたほうが良かったと思うな。やはりラストの大作１３分がいいですわ。IQみたいなドラマチックな曲です。
Peter Gabriel在籍時のGENESIS、FISH在籍時のMARILLIONが好きな人にはおすすめ。