フロリダ出身。マルチミュージシャンであるRick DuncanとRobert Van Dyne、ボーカルのTodd Plantの３人からなるプロジェクト。この三人以外に２０名以上のゲストが参加し、壮大なプログレ・ハード作品となっている。バイオリンも聴こえてくる。ちょっと聴けば分かるが、旋律といい、曲調といいこれはもうKANSAS。聴いていて思わず笑ってしまうくらい。さすがに２１世紀のバンドらしく、そこへSPOCK'S BEARD風の音も取り入れていて、数多のKANSAS亜流のような古臭さや汗臭さは皆無。シンセの比重が大きいのも今風に聴こえる原因かも。
KANSASをさらに分かりやすくしたようなキャッチーなメロディだけど、変拍子がたくさん出てくるのがうれしい。AYREONも真っ青のゲストの多さ（有名な人はいないけど）ゆえ、インスト・パートはなかなか充実してる。KANSAS風バイオリンあり、かっこいいシンセ・ソロありと、なかなかにスリリング。
飛びぬけた名曲はないが、KANSASやシンフォ寄りのプログレ・ハードが好きな人なら、どの曲もそこそこ楽しめる。
個人的には分かりやすいメロディに変拍子がたくさん出てくる４曲目Grand Designが好き。中間のシンセソロなど聴き所は多い。５曲目Angelineは冒頭からしてAudio Vision期のKANSASそのもの。９曲目Shock Valueはメタル風の硬質な曲で、ギターのリフやキーボードのフレーズ、そしてイコライジングされたボーカルがVinyl Confession期のKANSASを髣髴とさせる。つづく１０曲目Moments of Clarityはハードな変拍子を含む曲。いいねーこういう感じの曲をもっと収録して欲しい。１１曲目Ascensionは穏やかなに始まるけど中間のインストパートは複雑な拍子が続き、バイオリン・ソロへ突入。同じくKANSASに強く影響を受けたSALEM HILLに近いな。 アルバム中盤でちょっとパワー切れしてるけど、KANSASが好きな僕としては楽しい作品だった。オリジナリティ云々ではない。どっかで聴いたようなメロディと知ってるような展開・・そのプログレ・ハードな展開のなかに漂うＢ級っぽさが魅力なのかも。
リリース元は記載が無いからほとんど自主制作に近いものでしょうね。都内の専門店や通販サイトの一部、またCD BABYで販売されてます。