SI MUSICからリリースされたもの。SHADOWLANDや中期MARILLIONに代表されるような典型的なSIサウンドに、メタリックな要素を取り込んだ形。ミドルテンポな曲が大半を占めていて、良くも悪くも一連のプログレ・メタルとは一線を画す存在です。広がりと隙間を感じさせる、デジタル・シンセ依存のシンフォ・ワールド・・そこへメタル・ギターが虚ろに響く。広大な音像とは対照的に、メロディに魅力が感じられません。また、もったいをつけたような展開が多く、冗長な印象は否めません。
１曲目のBelieveはラウドなギターを中心としたヘヴィロックにポンプが合体したような音。まとわりつくような粘質ギターに透明感のあるデジタルシンセとの対比はおもしろい。
３曲目のDuckは場面展開が多く、緩急を使い分けた曲展開が特徴。メロディもまあまあ。彼らの目指す音が最も端的に現れてます。
４曲目のThe Horror Of Time TravelはSHADOWLANDをもっとソリッド且つスタイリッシュにしたような音像。メリハリがあって聴きやすい。
７曲目のVampireはSHADOWLANDがハードロックをやっているような音。印象に残るメロディ。
メタル的な側面を持っているものの、音の構成、曲想は明らかにポンプ。メタリックなSHADOWLANDという感じかな？ ポンプにメタルを持ち込んだバンドとしてKarl Groom率いるTHRESHOLDや、SI MUSICからアルバムをリリースしたLIGHTがあげられるますが、DILEMMAはちょうどその中間かな？ SHADOWLANDが好きな人には好まれるかも。
既に廃盤になっているけど、中古市場ではROADRUNNER盤、SI盤、国内盤（テイチク）が流通している模様。時々見掛けます。