９０年代初頭から活動してきた老舗バンド ミニＬＰ
９７年にMetal BladeからOcean Mindをリリースしたことで知られるニューハンプシャー出身の６人組。プログレ・メタルとして９０年代初頭から活動してきたってことで、老舗のような存在ですね。本作はOcean Mindの３年前にあたる９４年にインディーズでリリースされたミニＬＰ。５曲入り。
二本のギターがウェット＆ヘビーにウネる。FATES WARNINGにちょっとRUSHを混ぜてダークにしたような曲感じかな。DREAM THEATERばりの複雑な構成と荘厳な音色が特徴・・だけどプログレ色は弱い。こりゃ、ちょっと辛いな。強いてあげるなら完成度の高いラスト２曲かな。メタルが苦手でなければそれなりに評価されそうな曲です。でも、僕はメタル苦手だからちょっとなあ・・
二本のギターが楽曲の幅を広げる ドラマチックな９曲目が佳作
New Hampshire出身の６人組。ギターが二人居る。さほどテクニカルではないけど、このギターが哀愁系からアヴァンな楽曲までをこなしてバンドの音を厚くしています。ボーカルは、中高音をカバーするはっきりとした歌い方で、メロディック・ハードやポンプ系に居そうな声の持ち主。コーラスも厚く、楽曲の起伏をうまくつけています。
全体的には歌中心かな。インスト部分にはいるとプログレ・メタル展開になる。その要素は多彩。アヴァン、ポンプ調バラード、メロディック･メタルなど広く触手を伸ばしている。でも、俄然メタル色が強く、プログレ・ファンが多くを期待するとがっかりするかも。でも、下記にあげた４曲はちょっといいな。特に９曲目は突出していい出来。
残念なのはプロダクションがイマイチなこと。６人組で本来分厚いはずの音が、ヌケが悪くショボい音になってしまってる。
１曲目Ocean Mindは前半こそ平均的なメロディック･メタル風だが、キーボードのソロパートはプログレの血を感じさせる演奏。そして、４分目でがらっと変るあたりからが面白い。ここからのギターソロが聴きもので、ウネウネとしたメロディはFATES WARNINGやDREAM THEATER系を思い起させる。
５曲目Leavesはポンプっぽいバラード。中間のインスト部では泣きのギターがいい感じ。ヴォーカルとコーラスの掛け合いも良い。
７曲目Cry To Heavenは、メロディック・メタルにプログレ･ハードを足しこんだ感じ。冒頭のキーボードがプログレっぽさを感じさせる。ATHENAやZENを一瞬連想させるようなスリリングさ。しかし、音のツメはやや甘いかな・・どうしてもＢ級的な安っぽさが感じられてしまう。キーボードのソロは聴きものですが。
９曲目Forever Changing Windはいくつかの短いパートに分かれたちょっとした組曲風の構成。冒頭と中間部のインストはかなりプログレ度の高い秀逸な演奏。カリカリとした緊張感とアイデアが冴え渡る。ピアノとアコギのユニゾンなんかカッコイイぞ。歌とのバランスも良い。演奏の良さに歌も映える。特にアコギをバックに、悲しげなバラードを切々と歌い上げる部分の完成度は高い。美しいロングトーンのギターを挟んで、感動的なフィナーレ・・・この曲、文句なくアルバム中のベスト。
特に最後の曲は特別に出来がいい。あー アルバムが全部・・いや半分くらいでも、こんな感じの曲だったら、絶対お気に入りになるんだけどなあ。
次作に期待。