メロディック・シンフォにニューエイジが合体したような音です。分厚いシンセ、伸びやかなギターを中心にしたインスト主体。シンセの作り出すシンフォニックな世界・・・そこに、フルート系シンセや女性コーラスがニューエイジ独特の透明感を持ち込みます。この音の重なり具合が、清澄で穏やかな世界を作り上げています。キレイ過ぎてちょっと毒がなさ過ぎるかもしれません。特にアルバム前半は大人しすぎてＢＧＭ向きといえるかもしれないなあ。しかし、４曲目の途中から印象が変わります。俄然、音が走り始めます。聞き流しがちだったメロディも、急に親しみが感じられるようになるんですね。
流れるようなエレピで始まる７曲目はフランスのDRAMAにそっくり。ニューエイジ／フュージョン的な音の輝きをうまく取り込んだスリリングなシンフォ作品になってます。ピアノに絡んでくる、伸びやかなギターがいいねえ。EDHELSのように、ウェットでエモーショナルに楽曲を浮遊する様は最高。この曲だけ出来が違う。緩急をうまく使い分けながら、時にスリリング、時に優美な展開で、１２分もの演奏時間があっという間に過ぎてしまいます。
美しいメロディラインに、透明感溢れる音色、そしてブラジルらしい広がりのある音像・・・夏向きの作品かと。多くの曲はEDHELSを淡白にしたような印象。もうちょっと躍動感のある曲が増えたらもろ好みなんだけどなあ。