北欧系シンフォニックにフォークを持ち込んだり、GENESIS風だったり前衛だったりするミクスチャーな変り種シンフォ。ホントはアメリカのバンドなんですが。アルバム前半は旋律も展開も寄り付きがたい感じで、アヴァンギャルド寄りシンフォです。アルバム後半はPeter Gabriel在籍時のGENESIS風で、明快な旋律とテンションの高い演奏が聴けます。フルートとバイオリンが参加していて、最初聞いたときは北欧のシンフォかと勘違いしました。アルバム前半では、湿っぽい密室系シンフォだったり、変拍子多様のフォーク・プログレだったり。９０年代に興隆した北欧シンフォが北米に行って独自に進化したようなものでしょうか。北欧シンフォの影響を受けてる米バンドというとBIRDS AND BUILDINGSがいますが、あちらほどヘヴィでも劇的でもありません。フォークを持ち込んでいます。ところが曲後半ではTHE FLOWER KINGSかと思うような明快なシンフォに。GENESISやシンフォ・メタルの影響も感じさせ次第に混沌としてきます。引き出しは多いバンドなのかも知れません。
１曲目Water RunはANGRAGALDタイプの鬱シンフォ。２曲目The Baptismは実験への情熱が旺盛で、変拍子も多いです。ISILDUR'S BANE風。３曲目Reflectionはフォーク・プログレ。４曲目The Prayerはメロトロン多様のアヴァンギャルド。
５曲目NocturneはTHE FLOWER KINGSタイプ。メロディ・ラインの明確なシンフォニックです。スリリングなインスト・パートは全盛期のGENESISを思わせます。この曲はちょっといい感じ。 ６曲目The Sixth DayはGENESISタイプ。印象的な歌パートと、変拍子を交えたスリリングなインスト・パート。終盤はメタルに。８曲目The Reunionは北欧シンフォに９０年代KING CRIMSONを足しこんだような複雑な音に。途中、DREAM THEATERともAYREONともつかぬシンフォ・メタル展開も出てきます。この曲はいいです。
難解な部分があることと、曲ごとにベクトルが違うので正直疲れます。ムラがあるんですよね。でも、部分部分ではすばらしいところもあるので、こなれてきたらオオバケするかもね。