９０年代半ばに活動していたらしく、音源もこれだけ。しかしこれがクオリティが高い作品。シリアスでスリリングなシンフォニックです。GENTLE GIANTをさらに複雑にした変拍子、フルートをフィーチャリングしJETHRO TULLのようなドラマチックな曲想、YESの構成力を身に着けています。フルートのほかに、プログレ・ファンなら大歓迎なオルガン・プレイ、複雑なリズムを叩き出すドラムがすばらしい働きをしています。１曲目 Waking In Dreams
冒頭、フルートをフィーチャリング。ミステリアスに始まります。それ以降は全盛期YESかJETHRO TULLかといったシリアスなシンフォニックです。Steve Howeタイプのギター、華麗なフルート、変拍子・・グイグイと引き込まれます。すごいバンドです。
２曲目 Schtyzorythmia
さらにテクニカルでハード。張り詰めた雰囲気がいいなあ。変拍子の上を駆け抜けるオルガン、重厚感を与えるフルート、ジャズロックみたい流転する曲展開。うーむすごい。隙がない。DRAGONFLYのドラゴンフライ組曲を彷彿とさせます。曲を終始リードするオルガンに圧倒されました。
３曲目 Love And Death
重苦しいGENTLE GIANT。ジャズィなピアノと重厚なギターが特徴。
５曲目 For Me
前半はKeith Emerson風のオルガンがリードをとるインスト・パートです。ECHOLYN ＋ THE NICEみたいな感じ。後半の歌パートは一転してメロウなバラード。
６曲目 Improv: Big Daddy In The Big House
なんだろこれ。ECHOLYNがレコメンやってるような・・・ 深遠なオルガン、唸るギター・・
８曲目 A Gathering Of Days
メロトロンを使った哀愁バラード。ギターがポロンと弾かれ隙間を生かしたサウンドは、マイナーなイタリアン・ロック仕立て。音だけ聴いたらいつのものやらさっぱり分かりませんね。
９曲目 Improv: When Grandfather Gets Flatulent We Kick The Dog
Steve Howe／Steve Hackettを連想するギターが登場。浮遊感のあるシンフォニック。
１０曲目 In The Wink Of An Eye Excerpts: Crime And Punishment/Locked/Full Cirlce
ICEBERG ＋ THE NICEです。シンフォを取り込んだジャズロックという趣き。変拍子を楽々と操るリズム隊の上を、カリカリとした音色のオルガンが駆け抜けます。Steve Hackett風のギターもいいです。
１１曲目 Reality Is Mine
こちらもジャズロック風。７０年代ジャズロックの白熱した演奏に、Keith Emersonタイプのオルガンが参加したようなかっこよさ。
オススメです。ECHOLYN、JETHRO TULL等の濃密なシンフォ作品が好きな人、Keith Emersonタイプの鍵盤が好きな人には面白いと思います。