EPILOGUE

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classification : neo-prog
area : UK
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脱プログレが最も進んだポンプ系

 英国出身のメロディック・シンフォ。GENESIS傍系の範疇にあるものの、もはやポンプでもないくらい脱プログレ化が進んだ作風です。メロディックなプログレ作品が得意なCYCLOPSレーベルらしいバンドです。そう言えば、同レーベルからリリースされたPRIMITIVE INSTINCTもプログレ度が極めて低いメロディアスなバンドでした。
 メロディはアメリカ的。80年代以降のGENESISがアメリカで育っていたらこんな曲を書くのかも? 洗練されたやわらかなメロディライン。SI MUSICやJADISIQのポンプ系バンドに共通する部分もありますが、明るい曲調と平易な展開は俄然アメリカ的です。ポップなGENESISフォロワーと言えば米国のILUVATARが有名ですが、さらにシンフォ色を減らして簡潔にしたような感じです。
 基本的に歌中心。ボーカルは取り立てて上手いわけではありませんが、抑揚をつけながらもさらっと歌えるタイプ。ENCHANTの歌い方に似てます。キーボードはフルート系やハープシコード系など使い分けてカラフル。ギターはロングトーンで曲に情感をつけていきますが、あまり前面に出てこない。

 一聴するとかなり軽めの感触なんで、シンフォ・ファンはがっかりかも? だけどメロディのセンスはいいし、少ないですがシンフォ・サウンドも楽しめる曲もあります。明るめのIQといった雰囲気の5曲目In The Cityと、しめっぽいGENESIS系ポンプにアメリカンな爽やかさが加わったような不思議なテイストの7曲目No Sign Of Lifeは、シンフォニックに盛り上がる展開。
 一方、ポップな曲の代表としては9曲目Matthew。メロディがなかなか印象的なんです。曲のアレンジもなかなかのもの。何度か出てくるギターソロがかっこいい。ラスト10曲目The Flameは壮大で美しいバラード調の曲。盛り上がっていく曲調と琴線に触れるような旋律が嬉しい。何かに似ているなあ・・と思い当たったのがMARILLIONのSugar Mise。

 曲がいい割には話題にならないなあ? 完成度も悪くないし、それなりにいい作品と思ったのだけど。やはりシンフォ度が低いせいですかね。
 CYCLOPSのサイトなど通販サイトから購入可。中古も若干出回っています。

CYCLOPS CYCL 010 ('94)