「ロック・オーケストラ」の名のとおり、ロックによるオーケストラを志向した多国籍バンド（一応、英国出身らしいけど）です。圧倒されるほどのストリングス（ヴァイオリンとチェロ）と女性ボーカルをフィーチャーした変り種シンフォ。ボーカルは声量に溢れソウルフルです。メロディは基本的にポップなものなんですが、それをプログレッシブに肉付けしていきます。扇情的なストリングスと力強いボーカルのおかげで、エキゾチックな情熱に満ちてます。ま、７５年の作品ですからそれなりにブルージィな感触ですが、プロダクションがしっかりしていてエンタテイメント性にも目が行き届いたメジャー志向と思われます。
１曲目Eleanor Rigbyは曲名を見るまで気づかないほど原型をとどめていません。THE BEATLESのオリジナルも情熱的なストリングスが大胆に導入されていましたが、ESERANTOバージョンは大半をヴァイオリンが占めているというもの。ヴァイオリンのパートを増やすため新たなフレーズをヴァイオリンが奏でています。
５曲目The Rapeは１２分を越える大作。TRIUMVIRATにオーケストラが合体したようなシンフォ。６曲目Last Tangoはコマーシャルなサウンド。その名のとおり情熱的なタンゴです。あまりにキャッチーでわかりやすく、これ日本語で歌ったら間違いなく歌謡曲ですね。