メタル・クリムゾンを手本にシンフォニックを作ったような感じ
チリのバンド。これがなかなか良い。まるでDisciplin以降のKING CRIMSONのようです。
KING CRIMSONが偉大なバンドであることは誰もが認めると思うけど、個人的には「偉大なプログレ・メタルでもあった」と思ってます。ポリリズムも取り込んでメタルを独自に発展させたような、あの作品が私は大好きでした。で、あの音を受け継ぐバンドが出てこないかなあ、とずうっと思ってたんですが、なんとチリに居たわけです。
ギタリストが二人いて、リズム隊からなる４人組。ギターはRobert Frippの影響がモロ出てます。音的には、Disciplin当時のKING CRIMSONを技巧派ジャズ・ロックに引っ張り込んだような感じ。曲調は重く、暗め。悪く言えば地味めなんですが、これがまた、くぐもった感じで良かったりする。
２曲目 C-14が最も聴きやすく、彼らの音楽性を把握するのに適してるかな。３曲目AmenazaにはDisciplinそのまんまなパート（ギター２本によるポリリズム構成）が出てきて思わず苦笑。４曲目El Juicio IIに至ってはギターの演奏だけでなく「語り」までそっくり。 Adrian BelewがDisciplinでしゃべってるの思い出してしまいました。英語ではなくスペイン語（だと思う）ですが。９曲目Esquizofreniaはギターだけでなくベースも加わりクリムゾン・ライクな世界が展開されてます。
なんだかんだ言っても、結局クリムゾン風なんで全曲好きなんですけどね。
ジャケットは化石の発掘を思わせるもの。８０年代の恐竜Disciplinを蘇らせるということかな？ タイトルは、化石発掘の際に利用されてる放射性元素、カーボン１４（放射性炭素）のこと。確かに、放射される電子線の如く異彩を放ってます。ありそうでなかった佳作です。