Ryan Farish

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classification : ethnic, new-age, symphonic
area : France
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Beautiful

涼しげな音が素敵な"天上の音楽"

 ENIGMA系を多く抱えるレーベルNEURODISCの真打登場。

 ピアノ系のシンセが涼やか・・ときに寂しく、時にハートウォームな音色。そこへ重なるハウスサウンドが聞き手の心の情景を刻んでいくかのよう。残響しまくりの透明感溢れるピアノ系が奏でる旋律が、心に身体にしみ渡る。まるで、澄みきった冬の大気を吸い込んだときのように。また、限りなく夜に近い夕刻の深藍に郷愁を喚起されたかのように。
 近年のVANGELISに近い作風です。ピアノで情感溢れる旋律を繰り返して、聞き手の心を揺さぶっていく。旋律に気品があるのがいいですね。この物腰がVANGELISっぽいのですよ。同レーベルのAMETHYSTIUMにかなり近いですが、こちらのほうがドラマチックですね。曲の展開に奥行きや構築性を感じさせます。
 どの曲もいいのだが、あえてあげるなら、まず1曲目Sunshine in the Rain。清涼感と暖かみが同居。2曲目Sea of Youの悲しげなピアノも捨てがたい。ENYA風コーラスをフィーチャリング下5曲目Carried by the Windと8曲目Full Sailもすばらしいです。特に後者は、荘厳で、高揚感があり、雰囲気はまるで天上の音楽です。そのまま天に昇っていきそうです。多分数センチは浮いてるでしょう・・そんな心持にしてくれる曲です。

 このレーベルにはENIGMADELERIUMタイプの作品が多く、その手が好きな人にはまあ、宝庫のような存在なわけですが、この作品が今のところイチバンです。
 リズミカルなビートに合わせ身体でリズムを刻んでいくうちに、ゆっくりとクールダウンされていくような、青い蛍光に冷たく癒されていくような、そんな感じ。たまりません。寝苦しい夜にもいいですね。

NEURODISC CDP 7243 5 77377 2 2 ('04)1)