メロディックなシンフォです。シンフォニックと言ってもアークスティックな音を多用して、音がすかすか。アコースティック・ギターのうねりある響きや物憂げなボーカルで作り上げるメランコリックな曲者ポップと言ったほうがいいかな。プログレ的なテクや音は少ないですが、この物悲しさは間違いなくプログレにありがちな雰囲気。YESとPORCUPINE TREEを合わせて３で割ったような感じ。隙間の多いサウンド・・哀愁旋律が品よく響く。ボーカルはJon AndersonとJohn Wettonの中間のような声です。
物悲しくもムーディな旋律が耳から離れない１曲目Time To Fly、ギターを重ね合わせて出来上がったうねりのある音が心地よい２曲目The Move、冒頭のギターが印象的でやがて内へこもるような暗いうねりでPOOR GENETIC MATERIAL風になったかと思えば途中から曲がどんどん変貌していく真にプログレな７曲目Call It Your Own・・・
最初は地味目な欝シンフォのようにも思いましたが、実は音の隙間が巧み。音の処理はポストロック後のバンドなんだなと思わせる絶妙なコントロールで、古臭く感じさせません。旋律は曲によってムラはあるものの、上に挙げた曲はすごくいいです。そして独特のうねり・・曲が進むにつれどんどん下へ下へと澱んでいくような独特の感じがたまりません。