あのGENESISの前身バンドだったGARDEN WALL。その名を名乗るこのイタリア出身のバンド、実はGENESISからの影響はさほど強くありません。ギターにSteve Hackettの影響は感じますが、むしろシンフォ・メタルにカテゴライズするべきでしょう。演奏はミドルテンポかゆっくりとしたものが多く、横たわるシンセにギターが絡むような構成。インスト部分を充実させようとしているのはわかるのだけど・・・演奏時間が長い割には変化に乏しい。どの曲も似た印象で、正直ダラダラとした印象は否めません。一方、速い展開の曲はプログレ・メタル仕立てになっていて、これまた一時的に大量発生した湿っぽいイタリアン・メタル然としています。
キーボードの比重は高い。モダン・シンフォやポンプ系にありがちな、シンセひとつでシンフォニックな雰囲気を出すことに熱心なタイプで、旋律は平坦。ただし、教会オルガンによるソロが１曲あって、物悲しい旋律と荘厳な響きがなかなか聴きもの。バンド演奏よりもこっちの方が面白いというのも皮肉だけど。