ライナーにはYESを聴くシンフォ・オタクの小話＆写真があったりして、結構ユーモラス。自分はこういうシンフォ作品を作りたかったんだ、と言いたげ。その後、０６年にはほんとにJon Andersonと共演するんですが。YESやELPのキーボードを連想させるような、フレーズを厚く重ねたようなキーボード中心の構成。どの曲にも冒頭に派手なキーボードが配置されています。これが思わずのけぞりそうなくらいかっこいいのよねえ・・・って冒頭はね。そいでもって、歌部分になるとシンフォ要素が一歩も二歩も後退してしまうキライがあるのだ。うーん。
鍵盤の演奏そのものは上手いと思いますよ、歌は下手ですが。ソロ・パートではKeith EmersonやRick Wakemanのようなスリリング＆華麗なフレーズが飛び出します。この手の演奏が好きな人には人気でしょうねえ。僕もそうだけど。でも曲展開作品の深みという点は、まだこれからかなあという印象は否めません。なんちゅーかねー どうも平面的な印象なんですな。重厚だけど奥行きがあまり感じられない。まあ、鍵盤奏者のソロアルバムと思って聴けばそれで良いのではあるけど。
YESのClose To The Edgeの、ムーディな中間部をそのまま強化したような５曲目A Perfect Carouselはいい。これはじっくり聴きたい名曲やね。これ以降の曲はレベル高い。アルバムを一聴してピンとこなかった人は是非この５曲目から聴いてください。ラストの小品も良いです。
後半がそこそこ良かっただけに前半の中途半端さが残念。どうもヴォーカルに難アリだな。いっそのことインスト作品にしたら良かったんではないかなあ？