スペイン出身のメロディック・ハード。先に結論を言っちゃうとよく出来たＢ級メロディックという印象。メロディも演奏も平均的かそれ以上なんだけど、もうちょっと個性が欲しい。このままでは存在感が希薄。どこかで聴いたようなメロディなのはメロディック・ロックのお約束。それを踏まえた上で、ソングライティングは水準以上でしょう。バラードではバンド名のとおり牧歌調な部分も感じさせるものがあります。このあたり、欧州らしさも感じさせます。
演奏力はしっかりしています。ギターはへヴィかつメロディアス志向、キーボードはピアノをフィーチャリングしたり小技もちゃんと聴かせてくれる。ヴォーカルも上手いし、コーラスは楽曲に上手くメリハリを付けています。
ただ、プロダクションはいただけない。音にキレが無い。この手の作品には大切なことのはずなんだけどなぁ。もうちょっとちゃんとした統制下で録音していれば、録音、演奏ともにレベルアップしてもっと印象の良い作品に仕上がっていたはず。
８０年代、９０年代のアメリカのメロディックハードをお手本に僕達もやりました・・という感じ。平均的なメロディックなんだけど・・どうも個性に欠けるような。フックになるフレーズは上手く出来ているし、楽曲の演奏も構成もきちんとしている。それだけに、これといった「個性」・・つまり聴き手を引きつける「引っかかり」が見出せません。とにかくメロディック・ハードならなんでも・・という人ならまだしも、あまり印象に残らなさそうな感じです。