仏出身の正統派メロディック・メタル
仏産の正統派メロディック・メタル プログレ色は皆無
フランス出身のメタルバンド。メタルファンは決して少なくないはずなのに、なかなか国産では優れたバンドが出てこないフランス。フランスと同じくメタル後発となるイタリアは、プログレメタルがメタルファンやプログレファンの間で市民権を得るとともに、続々と素晴らしいバンドが登場してきたのは周知のとおりです。１０年くらい前には「イタリアにメタルバンドが居るの？」と言われていたのがウソのようです。DREAM THEATERがプログレメタルをシーンに認知させたことにより、これこそ７０年代より優良なプログレバンドを輩出してきたイタリアの底力がなせる技・・・とするのはコジツケですか？
一方、こちらも７０年代よりプログレ量産国であったフランス。うーん、なぜにここはメタルが育たない土壌なのだろうか。プログレレーベルの大御所MUSEAにして、自国の有望メタルバンドを発掘する目的で設立されたサブレーベルBRENNUS・・というのがあるんだけど、そこには今までいくつもの仏産メタルが紹介されているものの、大部分がまだまだといわざるを得ないクオリティ。なかには、「おいおい、これを世に出して良いものかぁ？」とレーベルの真意を図りかねるような作品だってあるぞ。フランスのシーン全体を見渡しても、「これわっ！」と思えるバンドは、僕の知る限りではHEADLINEとADAGIOくらいだろうか（０２年当時）。新人の話題すらないのがさびしい。イタリアとフランス、この両国の大きな隔たりが何に起因するのかは・・知らない。（ぉぃ）
前置きが長くなってしまったんですがHORIZONというこのバンド、フランスから久々に現れたメタル本格派・・との触れ込み。正確には、仏、英、独の混成チームらしいけど。で、その音はプログレメタル色のほとんど感じられないメロディック・メタル〜メロディック・パワー系の音。ネオクラシック寄りのギターを擁し、多重録音されたギターサウンドは絡み合いながら素早い速度でさまざまな光景を見せてくれる。そして高音での伸びの良いしっかりとしたヴォーカルと、重厚なコーラス。完成度そのものは今までよりもずっと高い。たしかに本格的な作風で、脆弱なところは感じられません。
メロディはソツなく作られているけど、裏を返せば個性に乏しく印象に残りにくいメロディとも言える。これは楽曲全体の構成にも言えること。
繰り返すけどプログレ色は皆無に近い。スピーディーに展開されるメタルという印象。カチッとした音のパワー系が好きな人向きかなあ・・