おそらくこれが２枚目。WMMSから１枚出していたはず。ジャズやシンフォニックの要素も持ち込んだテクニカル派です。DREAM THEATERに疾走感を加え、さらに個人技をフィーチャリングしたような音。メロディもなかなかいい。とりわけ性急な変拍子リズムには目を回しそう。
９０年代後半期のDREAM THEATERのように、パワーメタルを基調としながらもスリリングな曲展開と知的なリズム。個人技を上手く配しながら、駆け抜けるようなスリリングさは特筆モノ。この変拍子展開はたまりません。
演奏の中心はドラムとギター。ドラムの叩き出す激しく知的なリズム展開が彼らの最大の魅力だ。ギタリストもキーボードも、そしてベースまでもが速弾きが得意。ボーカルは日本のヴィジュアル系のような、ちょっとクネクネした歌い方(笑)が特徴。それと装飾的に配置されたＳＦチックなシンセもいいです。
１曲目 Dividing Vanity
へヴぃなギターと途中に出てくるベースの速弾きが印象的。次々と変わりつづけるリズム、演奏時間は１０分に及ぶが、駆け抜けるようなスピード感ゆえちっとも長く感じない。
５曲目 Under The Face Of Regret
冒頭、物悲しいストリングス（系のシンセ？）をフィーチャリング。内に篭るような音色（ストリングスとアコースティックギター）とドコドコドラムとの組み合わせがいい。メロディも印象的。
６曲目 Taken In
印象的なギターのフレーズと畳み掛けるようなリズム隊の攻勢。中間部のインストではフルートが入ってくる。パワー＋テクニカル＋シンフォ？ よくわからないけど、こんなの聴いたことないぞ。かき回されるような曲展開に翻弄され、怒涛の演奏に圧倒される。アルバムのハイライト。
７曲目 Sandfalls
一転してスローな展開に。アコースティックピアノ、ストリングス、フルートをフィーチャリングしている。メソメソ系シンフォのような曲。
他にも２曲目 Sacred Lover、８曲目 A Soul、９曲目 Sleepも聴きどころのある曲。
バンドはあまり話題になっていないようだけど、これはいいですよ。テクニカルなパワー・メタルが好きな人にはもちろん、個性的なプログレ・メタルを探している人には是非一聴して欲しい。
バンド名のとおりプログレメタルの地平の向こうを目指す音。現在のプログレメタル、テクニカル系の地平へ踊り出た感じ。今後も期待できそう。
DISK HEAVENで購入しました。通販サイトではまだ見たことがありません。デジパック仕様で出てます。１枚目はユニオンの中古に置かれているのを見たことがあるけど未入手です。