変拍子の多いメロディック・メタル。ギターやキーボードの聴かせどころをそれぞれ配置し、小気味よく展開、明るい曲調で朗々としたボーカルを中心に構成されていて聞きやすいです。曲調はメタルというよりメロディック・ハード、ギターとキーボードはプログレの影響を受けてます。特にキーボードにはRick WakemanやGeoff Dawnes系、ギターはSteve Howeという具合にYESから影響されてるなとうかがわせる手癖が。そういう意味では同じくYESをメタル化したかのような手癖と明るさを持ち合わせてた初期CAIROを思わせます。あるいはもろYESのDramaとか。
曲によってはSHADOW GALLERYをシンプルにしたような感じも。変拍子を多用しつつわかりやすいメロディでぐいぐい押していくところはオランダのMARATHONにも近いです。
ある意味、プログレメタルの正統派的な音であり、YES系プログレ・ファンが飛びつきそうな音です。なんとこのアルバムは９７年リリースだそうなんですが・・こんないい作品、あったっけ？ 今聞くとさすがに驚きは少ないですが、DREAM THEATER全盛時の９７年だったらかなり目立ったはずなんだがなあ。
突出した曲なものはありませんが、全体的に変拍子主体の複雑展開と明るいハードロック志向が合致してバランスはいいです。１０年前に聴きたかったな。