探せばまだあるDEEP FORESTタイプ アジア＋ビートの自然派
中近東から東アジアまで、とりわけインディポップやパキスタンあたりの歌謡を中心にデジタル・ビートと組み合わせている。ホーミーも出てくる。
DEEP FORESTほどコンピュータでいじり倒した感じではなく、元歌にビートを重ねていくような自然な仕上がりに好感が持てる。ただ、大半の曲はあっさりめでちょっとクセが無さ過ぎかも。インディオにデジタルビートを配し、元歌の良さを損なうことなく分かりやすく聴かせてくれたCRIARA・・・これはその西アジア版かな。DAO DIGIのようなけたたましいビート攻勢でもなく、ENIGMAほど洗練されすぎてもいない。すうっと始まってすうっと終わる・・・その何気なさはＢＧＭ向きか。ぼぉっと過ごすときに部屋に流しておくといい感じかも。
アルバムもかなり出ているみたい。このプロジェクトだけではない。潜在的にかなりの作品があるといわれるDEEP FOREST系作品。まだまだ探索する必要がありそう。
深夜のディープ・フォレスト？・・妖しく甘美なサウンド
なかなかの秀作。前作Praying To Different Godsから大幅に進歩。DEEP FORESTファン、ワールド・フュージョンのファンとしては恐らく大満足なんではないかいな。
シンプルでメロディアス。初期のDEEP FORESTの良さをそのまま引き継いだような感じ。ユーラシアの東西を結び、印象的なフレーズと魅惑的な音をサンプリング。極上です。
歌の加工が独特ですね。イフェクトされて、それが今まで聴いたことの無い”音”になってます。これが協力に作用。トリップするような非日常性を作り出してます。
打ち込みリズムがパルスのように脳に響き、甘美な歌唱が心を溶かす・・・目を閉じて聴いていると幻覚を起こしそうです。
どの曲もいいのですが、私が好きなトラックは次のとおりです。
１曲目 Tomorrow is another day (feat. Zeebee)
インド音楽＋妖しい女性ボーカル・・これが扇情的。もっと言えば官能を狂わす、みたいな感じかな。ボーカル担当のZeebeeは自身のアルバムも出しています。彼女のウェブも見に行きましたがかわいい人ですね。
２曲目 Ganga (feat. Sandhya Sanjana)
こっちはぐっとオーソドックスなエスニックものに。エスニック主体のリズムに伸びやかなボーカルが乗っています。
５曲目 Nothing (feat. Louise)
Louiseって元BANGLESのLuiseかな？ 声は確かにそう聞こえるけど。
６曲目 Desire
短くサンプリングされたヴォイスが印象的。一発で覚えそうですね。
７曲目 Be Here Now
いいなあ。金属的な打ち込みサウンドと加工された聞いたことも無い歌声に加工されていて、作用して、心にゆっくりと波紋が広げっていくようです。
８曲目 Silent Sigh (feat. Zeebee)
１曲目同様Zeebeeがボーカル。キラキラとファンタジックな音にため息交じりの歌声が交錯。
９曲目 Breathing Cultures
これもいい。初期DEEP FORESTや全盛期ENIGMAをコンパクトにまとめたような曲。「あなた達が聴きたいのはこういう曲でしょ」とでも言わんばかり。心憎いです。女性ボーカルと幽玄のフルートがしっとりと聴かせます。
１０曲目 Deep inside
内向的なDEEP FORESTという感じ。瞑想の世界へ否応無く引き込まれるような感じ。
しっとり、妖しい・・大人向きって感じですね。”夜のDEEP FOREST”ですね。疲れているときに聴いたら、どっかトンでしまいそうです。
唯一不満を上げるとしたら、あまりにも弱い流通だろう。店頭で売られているの見たことないし、前作の項で紹介したmp3.comも今は無い。amazonにも売られてないし。これだけの作品がほとんど知られてないのは悲しいですね。右上の公式ページに音源があるので是非聴いてみてください。