GENESIS系列のネオ・プログレです。ポップな頃のIQや初期MARILLIONを彷彿とさせる元気の良い音です。１曲目Beetles of Concreteを聴けばわかりますが、この手の系統にしてはしっかりとした曲構成を志向しており、まるでいくつもの曲を切り貼りしてひとつに纏め上げたような感じ。曲の表情がクルクルと変わるし、それがスピード感や起伏になっています。まるでYESバリの構成力。ただ、演奏力がイマイチなんですね。プロダクションが非力なせいもありますが、音が薄いというか軽いというか、そのため疎らな感じ。まあそれも個性かもしれませんが・・緻密な演奏志向なのに音が隙間だらけという一風変わったシンフォニックです。そういえば、オランダのNOWに似ています。
２曲目No Dealは全編を覆う変拍子リズムのキレが楽しいし、コーラスの使い方はYESを思い出します。
メロディアスを志向しつつも肝心の演奏が凡庸だったり、妙に湿っぽかったたかつてのネオ・プログレですが、このバンドは８０年代、９０年代の新人ネオ・プログレに近い線なんだけど、しっかりした構成力を持ってます。底力はありそうですね・・もうちょっと音に重みが出てくればファンが増えそうです。
ネオ・プログレ全盛期にこういう音があれば良かったのにね。