チルアウト／エレクトロのジャンルでは様々なエスニックが取り込まれ、いろんなサウンドが提示されています。プログレにおいてもPeter Gabrielをはじめ良質なエスノ・プログレが作られてましたが、このLAND'S ENDは音として完成しているなと。さすが文化の交差点フランス、さすがDEEP FORESTのいる国フランス・・・アフリカやケルトといった豊富なエスノ要素と、流麗な旋律、完成度の高い歌と演奏・・これらがバランスよく出来上がってます。ここまでのものはなかなかな無いなと。エスニック取り込みではすでにチルアウト系では様式として完成しているわけですが（ってか煮詰まり感すらありますが）、それに負けないくらいの完成度を誇ります。
西欧ポップにエスニックがシームレスにつながっています。おそらくフォークに根ざしている馥郁とした旋律に、民族色強いリズムが自然に融合。大地を感じさせつつもどこか生活感を漂わせた曲想には、過剰な演出もうそ臭さもありません。
チルアウトではDEEP FORESTがいて、安心感を持って聞けるわけですが、それを凌駕するほどの安定感。プログレにはLAND'S ENDがいるぞと。どの曲もめっちゃいいんですよ。おしゃれだし、グルーブ感もある。プログレとか非プログレとか関係なしに、これは良質な無国籍ポップスです。いいんだな、この日常感が。休みの日には、差込むお日様の光にあたりながら一日中寝そべって聞いていたい。