９０年代前半にオランダで活動した４人組。ギター中心です。倒産してしまったSI MUSICからリリースされていたためネオ・プログレ（ポンプ）系と見られがちですが、スカスカなメロディックものではありません。メロディックなシンフォもあれば、フュージョン寄りまで音楽性は幅広いです。まあ、ギタリストがなんでもできるタイプなんでしょうね。その存在感あるギターをはじめ、メンバーはみな達者な人ばかり。これはいいですよ。なお、ボーカルはメンバーが分担して受け持っていて、皆あまり上手ではないです。冒頭１曲目がいきなりのハードロック。ハードなギターをフィーチャリングし、ひねりの利いたポップ。これでボーカルが良ければ言うこと無いんですが。
２曲目はミディアムテンポの淡々とした曲調。前半はインストで後半は歌モノ。３曲目はフュージョン作品。
４曲目Dreamsは２４分の大作です。オーケストラを導入したオープニングは、穏やかな旋律と気品がCAMELのよう。その後、緩急織り交ぜながらハードなギターとオーケストラの絡むシンフォな展開が続く。後半の歌パートは単調で冗長。このあたりもう少し工夫が有ればよかったんだけど。終盤には再びオーケストラ、そして荘厳な混成コーラス。コーラス直後のアコギに寄る弾き語り部分にはCAMELやGENESISの哀愁がある。このアルバムのハイライトですね。
メロディは悪くない。他のSI MUSIC系バンドがキーボードを過度に多用したり、幾多のGENESISフォロワーの資産を安易に流用するようなアルバムを出しているのに対し、彼らLIGHTは変化に富んだギタープレイという骨があるし、オーケストラやコーラスの導入にも個性が認められます。類型的なモダン・シンフォに陥ること無くオリジナリティを出しています。ただ、冗長さを廃してもっと硬質な音造りをしてくれたらよかったんですけどね。
あとは、アルバムを出しつづけることで、もっとバンドとしての力がついていくんだろうけど、この後SI MUSICの倒産があり、それ以降の情報が無いのがなんとも残念です。いいバンドなんですけどね。