TOTO系プログレ・ハード 隠れた佳作
カナダ出身ＡＯＲ系ハードです。曲によってはプログレ・ハードもあったりして、８０年代半ばのTOTOを連想。この作品の前にもうひとつアルバムを作っているそうですが、ＣＤとしてはこれが初めて。バンドの歴史は古く、この時点で既に２０年選手らしい。
オープニングは定番ですがシンセ・ソロによる短い曲を配置、次にノリの良いリズムが刻まれ２曲目The Botoom Lineが勇壮に始まります。８０年代初頭のＵＳメロディック風でこれまた定番ね。TOTOに似てます。続く３曲目Yesterday's TearsもTOTOの都会的な雰囲気を持ち込み、なかなか良いです。
でも、その後は没個性気味。曲の完成度もメロディも悪くは無いのですが、フツーのＡＯＲが多いかなと。ＡＯＲハードが好きな人はたぶん満足されると思うんですが、アルバム冒頭のようなプログレ・ハードを期待すると退屈かもね。
タイトル曲のSo Exactly Where Are We?は畳み掛けるような変拍子がかっこいいです。これぞプログレ・ハードと思わずひざを叩きました。全曲こんなんだったらいいんだけどね。
洗練された正統派メロディック・ロックへ
ＣＤ２作目です。テンション高いプログレ・ハードがある一方で、大人しいＡＯＲ調へのアプローチも見られた前作。本作ではさらに大人しくなって「プログレ」部分が抜け落ちてしまった感じ。８０年前後に多く発生した典型的なＵＳメロディアスの音。近いのは後期LE ROUXでしょう。
メロディックなギターや落ち着きのあるピアノの音色が美しい。プログレ・ハードよりも純然たるメロディック作品を愛する人、８０年代アメリカン・ハード・ポップを好む人には支持されそう。前作よりも丁寧に作られてるという印象。ただ、ありきたりな曲が多いんだよね。いかにもどっかにありそうで・・・曲展開がパターンに忠実すぎるというか。前作のプログレ・ハード展開が好きな人には退屈かも。しかし、正統派メロディックとして見れば安心して聞けるクオリティ。メロディック・ファンからの評価は高く、今でもアルバムを探している人がいるようです。
変拍子を用いた前作のようなハイテンションな作風が好きな人は、こちらよりもMARAやTHE QUESTをオススメします。
[追記]
その後も活動は継続していて、もう１枚アルバムが出ています。