NWOBHMのバンドのひとつ。当時のブームで大量にデビューしたこの手のバンドはその後それぞれ異なる方向へ進み始めます。DEMONもこのバンドも、音楽性をとことん追求していった結果、プログレに近い音楽性に至ったわけです。基本的には演奏がラフでさほど技巧的に優れているとは思えません。言ってみればＢ級。演奏は複雑で、曲によっては展開やベースラインなどいろいろと工夫しているんだけど、どうも演奏自体がヨレてしまっているようなところがあります。メロディライン自体は悪くないんで、キチンとしたプロダクションで丁寧に演奏すればもっとメロディも映えるんだろうなあ・・・などと聴いていたら、突如として２曲目Metal Man、４曲目Don't Look Backでメロトロンが鳴り出す(笑) それも、テンポの速い曲で、ラウドなギターが鳴っているバックで持ってくるのが面白いです。
メロディが印象的な５曲目Knife In Your Backや６曲目Going Homeはすぐ覚えられるキャッチ−な曲。メタル・ファンには１曲目Ashes To Ashesが人気とか。
そしてなんと言ってもラストに収録された８曲目Man Of Coloursです。この曲、一部のプログレ・ファンの間では隠れた名曲とされています。それくらい他の楽曲と比べて突出してよくできているんですよね。メロトロンを全編に渡ってフィーチャリングし、初期のKING CRIMSONやCAMELに匹敵するような物悲しい作品に仕上がってます。だいたいどんな感じかわかりますね？ スローな展開といい、メロディのもつ雰囲気といい、ロングトーンのギターのすすり泣き具合といい、どこに出しても恥ずかしくないメロトロン・シンフォ作品。エンディングはまさにKING CRIMSONの１枚目です。えーわー、これ。
再発ＣＤが出てます。ディスク・ヘブンなどにあります。