初期にはプログレ作品もあるメトロファルス。そのメトロファルス周辺をはじめ、数多くのレコーディングやライブ活動に参加してきたキーボード奏者ライオン・メリィ氏のソロ作品です。ヨタロウ、戸川純、あがた森魚、バカボン鈴木らが参加。ヨタロウ、戸川純・・・この二人のヴォーカリストがつくる独自の世界。そこへシンフォ系のインスト、テクノサウンド、エスニックなど多彩なサウンドが重なり、まるで色んなところを旅しているような気分です。
１曲目「故郷を後にする ドンモリオーネとその従者」と２曲目「冒険が始まる」 インストは無国籍なシンフォという感じですが、ヴォーカルのヘナヘナした感じが捨て難い（笑）
３曲目「首輪」はヴァイオリン、クラリネットとのピアノによる共演。
４曲目「ダルシネーア姫」 戸川純が歌うとこうも世界が変るものか。東洋的とも西洋的とも言えぬ陰のある静謐の世界です。
５曲目「ヴァカボンド・ヴァーレスク」は名前のとおりバカボン鈴木が参加。チープなリズムボックスと遠雷のSEで始まるが、途中からサックスとベースが被るジャズィな曲。でもすぐ演奏が終わってしまう。残念。
６曲目「砂漠の世界」 ヨタロウがヴォーカル。役者でもある彼のコミカルなヴォーカルが大好き。アラビア風の演奏をバックに、魔法使いと主人公との対話がテーマなんだけど、こういうの歌えるの彼しかいないよなあ。
７曲目「コンドルに掴まって」 テクノっぽいインスト。映画のように写実的な曲で、疾走感に溢れています。
８曲目「ドロンコ市場ポルカ・第２番」 メリィさん得意のポルカ。市場の喧騒と哀愁が交じり合ったようなメロディ。メトロファルスでやったようなメリィさんのアコーディオンソロも聴けて満足。
９曲目「ボルケイノ・メドレー」 スティール・パン、タブラ、カリンバなど多国籍（無国籍？）な要素。ファンクまで聞こえる（笑） あがた森魚がヴォーカル。
１１曲目「朝の流れ星」 主人公役のライオンメリィとダルシネーア姫（戸川純）の掛け合い。シンフォ調の美しい曲だけど、歌のなかで戸川純が「対人恐怖と不潔恐怖」「拒食症を併発」と歌うあたりはハマリ過ぎてて洒落にならない・・
１３曲目「最後のワルツ」ピアノの小品。音の処理にアンビエントな味付けがされていて、印象的。短いが心に響きます。