濃密にして聴きやすいシンフォ 佳作
GENESISとYESを聴いて育ったなというのがよくわかるバンド。GENESISの煌びやかな構成とはっきりした旋律、YESの思索性と構築美。70年代英国シンフォからネオ・プログレもはさみ、さらには現役バンドであるTHE FLOWER KINGSといったシンフォニックの歴史を、えいっと纏め上げたような感じ。そしてアメリカのバンドらしく、輪郭のはっきりした音色で明るい曲調を貫いています。いいですねぇ、濃密にして聴きやすいシンフォニックです。
1曲目The Ballad of Eddie Wanderlustですべてが出ています。聴きやすいボーカルにはっきりしたメロディライン、GENESISのような畳み掛ける展開・・・インスト・パートに入るとYESのような壮大な曲想に。様々なパートを繋ぎながら場面を次々と変えていく楽曲・・いやあ、これはたまりませんね。
2曲目Higherはさらに抑揚をつけたようなドラマチックなシンフォニックです。おとぎ話のように煌びやかな曲想です。
3曲目以降で音楽性が変わります。RUSH + GENTLE GIANT風の4曲目The Prisoner、変転を繰り返す6曲目On And Onも良かったです。
情感豊かな旋律とメリハリのあるシンフォニック 佳作
個性派メロディック・シンフォ。メロディだけでしっかりした曲構成ができ、時に歌謡曲かと思えるくらい情感豊かに歌い上げるYES/GENESIS型シンフォ。演奏がしっかりしていて、ここぞというピアノ・ソロやギターのフレーズが屹立している感じ。演奏にメリハリがありますね。ジャンル的にはシンフォニックですが、ジャズやクラシックの素養も垣間見られ懐の深さを感じます。似たタイプとしてECHOLYN、またIZZ、MAN ON FIREが挙げられるかな、ちょっとマイナーですが。
面白かったのはECHOLYNがELPを茶化したような3曲目Paranoiac。変拍子リズムと目の覚めるようなオルガン/ムーグ。かっこいいんだけどどこかコミカル。
他にも優美なポップ7曲目Hiding、GENESIS+GENTLE GIANTみたいな痛快な7拍子ポップ8曲目Stageがいいです。特に8曲目は一発で覚えるくらい印象的。畳み掛けるリズムとコミカルな旋律、キーボードとギターのソロが気持ちいです。この曲は個人的に名曲入りです。
GENESISやELPばりのメロディ・センス。全盛期のECHOLYNに匹敵するかっこよさです。
ポップな曲調と変拍子展開
GENESIS、YES、SPOCK'S BEARDの影響を感じさせます。ポップな曲調と変拍子展開はGENESISを思わせます。また、鍵盤を中心にきっちりとしたシンフォニック・サウンドを構築しているところやギターのフレーズには明らかにYESを感じさせます。さらに、ミュージカルのように曲を展開していくところやからっと明るい曲調、さらには音の処理とか感触にSPOCK'S BEARD的なものが。
演奏はしっかりしているし、終始明るい雰囲気も好印象です。