ギター、ベース、キーボード、ドラムスの４人組。ギタリストが曲作りからヴォーカルまでをこなす。知り得る限り３枚出ていて、これはたぶん２枚目。音楽性としては、バンド名のとおりRUSHの影響を強く受けているようだ。とりわけ８０年代のRUSHに近い音だけど、当時のRUSHが曲をコンパクトにまとめ歌中心であったのに対し、彼らMARATHONはインスト中心。イタリア得意のシンフォ・メタルっぽい音だが、シンフォの要素は、伝統あるイタリアン・シンフォの流れを汲むというよりは、MARILLIONなど８０年代以降のポンプ系の音に近い。メタル＋ポンプという図式は、他にも英国のTHRESHOLDがある。
演奏は悪くない。ギタリストはAlex Lifesonのような音色を好むし、控えめなシンセもRUSH的と言える。時折変拍子を交えながら、ギターを中心に構成された楽曲。だが集中力というかカリカリとした緊張感は希薄で、むしろ淡々とした雰囲気と言うか・・・伸び伸びと明るくやってますって感じかな。ギタリストはイタリア勢としては切れもあるし、ヴォーカルもドラムも無難な部類に入る。しかし、メロディにこれといった魅力が無い。ここイチバン、みたいな中心的なフレーズに欠けるので、どの曲も同じように聞こえてしまう。起承転結が明瞭じゃないとも言える。つまらなくはないんですよ。そこそこ楽しめる。でも、そこまでなんだなあ・・・
イタリアのメタル寄りネオ・プログレ系。SI MUSICにいるGENESIS／MARILLION亜流によくある、明るくのびのびした曲が多い。RUSHにも近い。RUSHに対する敬意なようなものを感じますね。RUSHがネオ・プログレ／ポンプ系になったらこんな感じかな。