深い・・・KING CRIMSONにも通じる深さ。なにが深いって音楽的素養が深いんですよ。いろんなジャンルや様式を取り込む深さ。そしてそれを平面的に並べるのではなく、ミクスチャーして消化して自らのスタイルに構築する深さ。さらに、曲に込める思索性の深さや、抑揚の深さも。GENTLE GIANT、YES、KING CRIMSONといったシンフォだけでなく、ユーロ・ロック、DREAM THEATERからジャズロックまで様々な要素が聞き取れます。さらにそれを消化し、ダークな雰囲気で再構築しています。
収録曲は４曲。どれも長いです。１０分、１１分ときて４分を挟んで最後に１３分。曲ごとにスタイルが異なります。共通するのは、ダークで深みのある音。
１曲目AmanecerはGENTLE GIANTが暗いジャズロックをやってるような感じ。
２曲目Mannanはプログレ・メタルの枠にユーロ・ロックを取り込んだような感じ。ドラマチックでダークなシンフォに仕上がってます。組曲構成です。冒頭はスリリングなジャズロック風、次にシリアスなプログレ・メタル（Senceryレーベルに居そうなタイプ）、終盤は歌い上げるボーカルをフィーチャリングしてユーロ・ロックに前衛をちょっと混ぜたよう感じ。
３曲目Atardecerはニューエイジ風。美しいですよ。ゆっくりと虚空に弧を描くような優美なギターにため息。
４曲目NocheはDREAM THEATERやSencery系のシリアスなプログレメタル。シンフォニックな要素もマンテンでKING CRIMSONの近作にも近い。
南米の職人気質なプログレという感じ。米欧で台頭するメロディック・シンフォの華やかさはありません。強烈に残るフレーズも無し。でも楽曲の存在感があるんですよね。いろんな要素を吸い取って、独自に纏め上げたその懐の深い音が魅力的です。