西海岸産メロディック・ハードの発掘盤。９０年代前半に活動していた５人組、しかし活動していた数年間には遂にアルバムをリリースできなかったという不遇のバンドらしいです。音は８０年代前半のローカルなロックンロール・バンドという印象ですね。シンプルなロックを豪快に、そしてちょっとグラムっぽく味付けしている感じ。ボーカルは、ワイルドなシャウトを繰り返す中音域から、一転してクリアーなハイトーンまで器用にこなす。ギターは隙間は多いが豪快なハード。シンプルでヌケの良いリズム隊も痛快です。
アルバム開始から３曲はウェットなメロディと暑苦しい演奏で、正直、野暮ったい。ですが、曲が進むにつれどんどん良くなっていきます。アルバム後半は「ワイルドなメロディック・ハード」作品としてはなかなかの出来。本当に、後へ行くほどスケール感もドライブ感も向上していくから興味深いです。本作を聴いてピンとこなかった人には４曲目から聴くことをお奨めします。それでもダメなら最後の曲から逆順に聴いてもらえれば。
個人的には比較的スリリングで鍵盤がフィーチャリングされている４曲目Mr.Invisible、シンプルだけど印象的なメロディック・ハードの７曲目Half Past Midnightがいい。豪快なギターが聴ける８曲目Mercyと１１曲目What's It Yaもなかなか。
メリハリの効いた演奏。発掘モノの割には録音も悪くない。メロディック・ハード系レーベルとしては一目置かれるESCAPE MUSICがリリースしたのも、なるほど頷ける。例えて言うなら・・うーん・・ワイルドな曲はDETECTIVEあたりが近いような？ 某サイトではFORTUNEやTony Harnellに似ているとの評判ですが・・だけどどっちもよく知らなかったりして・・すいません。
国内ではMSIがディストリビュートしています。