これから話題になる（？）シンフォ・バンドです。初期YESを蘇らせたような面白さ。まず手癖がYESに似てます。ギターは加入まもなくのSteve Howeに奏法も音色もそっくりですし、ボーカル／コーラス・ワークも強い影響を受けてますね。７０年代前半YESです。メロトロンも登場。
曲構成と明るい雰囲気はSPOCK'S BEARD風です。YESほどドラマチックに作りこんだ構成ではなく、シンフォニックの山を登って下って、また登るみたいな緩やかな展開。
１曲目Let The Race Beginは初期YESを髣髴とさせる懐かしい海洋地形学風明朗シンフォ。
２曲目Whaleheadは若き日のSteve Howeのようなプレイが満載。The Steve Howe AlbumとThe Yes Albumを混ぜたようなプログレ・ポップ。
３曲目Salvoは１３分もの大作。組曲かと思ったらそうではなくて、前衛要素の強い重苦しい曲です。YESというより5UU'sですね、これは。
４曲目Against The Sunsはプログレ組曲を狙ってますが、歌中心の前半が散漫に思いました。終盤のキーボード・パートなどは俄然盛り上がるのですが。
５曲目Walk It Offは１１分。こちらは複数のパートに分かれる組曲です。これはそれまでのトラックとは全然違って、最もドラマチックな曲です。YESからドラマチックと奏法を、GENESISから叙情性と畳み掛けるリズムを譲り受けたような。この曲、良いです。YESファンの多くが満足でしょう。
７０年代前半のYESを受け継ぐ音。The Yes Album直系ってとこですかね。メロトロンもふんだんに聴けるし面白かったです。あ、Tales From Topographic Oceansという気もするなあ。傑作「危機」の後に、ちょっと緊張感が足りないビミョーな感じが(笑)