オランダで８０年代初頭に活動していたバンドだそうです。In the Following Half-Lightというアルバムが唯一の作品だったのですが、最近リマスターされ、ボーナストラックも追加して発売されたのが本作です。同時に再結成ツアーも行われたとか。オランダ国内ではそれなりの地位を確保しているらしく評判はいいようです。オランダ国外ではほとんど話題になって無いようですけど。僕は最近はじめて知りました、このバンド。一言で言い表せない音楽性ですね。トラック毎に違うのですよ。ポンプのようなキャッチーなものからYES／GENESIS系荘厳シンフォ、なかにはニューウェイブ風の曲も。
例えば１曲目Too Hard To Forget と２曲目Son Of Samはポップな音楽性で、まさに８０年代のネオ・プログレです。IQをさらにキャッチーにした感じ。耳に残る旋律で、演奏も元気がよく、劇的です。
３曲目Straight Into InfinityはIQ似のネオ・プログレとYES,GENESISの本格シンフォの間を行くような作品。シンセの音に郷愁を感じます。
５曲目のIsle Of Manは暗い陰影を感じるYES風シンフォです。Alan White的ドラムさばき、Steve Howe風の駆け上がるギター、まるでRick Wakemanのクラシカルなフレーズ（これはかなり意識してる！）、Chris Squireのような元気のいいベース。ほんにYESそっくり。メロトロンも鳴っていて、この曲はいいですよ。
６曲目A Matter Of TimeでこれまたYESに近い感じに。Awakenを思い出しました。スイスのDRAGONFLYにも近いかな。この５，６曲目が人気の高い理由でしょうね。
７曲目Sargassoはシアトリカルなボーカルと、オペラに前衛を合体させたうな曲展開が特徴です。
８曲目以降はボーナストラックのCumulo Nimbus３部作です。この組曲はシンフォニックを前面に押し出し、クラシックのような気品がある曲です。まるでオーケストラをフィーチャリングしたサントラのようですね。アジアが舞台の映画にぴったりです。劇的な展開はまさに映画です。
初期IQタイプのネオ・プログレ、YESタイプのシンフォ、クラシカルなシンフォ組曲と３つの面が楽しめる作品です。聴いて損なし。