演奏は８０年代以降のKING CRIMSONにヒントを得ているように思います。不安感と緊張感をもたらす耳慣れぬ旋律と、ポリリズム気味の変拍子が特徴です。そこへエレクトロなシンセもフィーチャリングし、広がり感と強烈なトリップ感のある音になってます。そのため、スローテンポなパートではスペース・ロックのような佇まいも。ボーカルはゴシック風女性ボーカル。湿っぽい歌声で線は細いのですが、パートパートで多重録音を使い表現力はあります。ミステリアスな雰囲気のある声です。
浮遊感と緊張感が交錯する１曲目Le Gardienが聴きモノ。２０分からなるこの曲は、弛緩と緊張を繰り返しながら前衛サウンドの高みを目指しています。ゴシック・メタルを遅回しにしたようなスペイシーなパートあり、KING CRIMSONからリズムとギターあり、どこかの民族音階のような不思議な節回しあり・・・実に個性的です。私はアヴァンギャルドは苦手なんですが、この曲には「次はどうなるんだろ？」と思わず聞き入ってしまう魅力を感じています。トリップ感もあるしシンフォニックでもあるし。深いところへずぶずぶ沈んでいくような暗くも激しいインスト・パートは是非聴いていただきたいなと。例えるなら、KING CRIMSON ＋ 5UU'Sかと思います。
３曲目Deregenerationは前衛へヴィネスって感じです。陰陰滅滅とした雰囲気ですが、曲はどんどん変わっていきます。その流転していく様が面白かったりして。思い当たったのは全盛期のCLIFFHANGERです。あれにメタルを足しこんだような感じ。
両耳から入ってくるスペイシーなサウンドとミステリアスなボーカルが身体を弛緩させ、奇異な旋律と変拍子で緊張・・この繰り返しです。ハマリますわー 気持ち良過ぎて意外とよく寝れたりもする（おい）