プログレッシヴなパワー系になるのだろうか、アメリカの新人バンドのデモ作品。６曲収められているがどれもすっごくレベルが高い。スピード感溢れる高速パワー・メタル展開に複雑なリズム、速弾きキーボード、畳みかけるような展開、猫目のように代わりつづけるフレーズ、そして分かりやすいメロディ。キーボードが全面に渡ってスリリングな演奏をしていて、楽曲のスピード感を作り上げている。他のバンドと比べキーボードの貢献度が高いという点でプログレ度は高い。ギターは速弾き＆ハードで、重厚な音を好む。ドラムは高速＆パワー系で派手なプレイが多い。ベースも時折秀逸なフレーズ／ソロがある。
メロディはちょっと枯れたような哀愁感を漂わせながら、スピーディに盛り上がっていく演奏とのアンバランスさが新鮮。個人的にはSHADOW GARALLEYを早回しにしたような感じかな。しかも、曲の途中からさらに加速していくかのような錯覚に陥るくらいスリリングなのだ。
全６曲、どれも素晴らしい。どれを聴いてもこのバンドのレベルの高さを証明してくれる。そして聴けば確実に印象に残る。
一聴するとメタリックな音に思わず緊張するが、これだけ変化が楽しめるプログレ・メタル作品もそうない。濃いです。メタルが苦手なプログレファンも多少耳慣れすれば楽しめるんじゃないかな。DREAM THEATER、SYMPHONY Xが聴ける人ならすっと入れそう。
現在、残念ながらバンドは解散状態にある模様。これだけの作品を作りながら、もったいない限りです。