Joseph WilliamsのVERTIGOやFunderburkのソロなどを手がけたFabrizio V.Zee Grossi（Frontiers Recordsの中心人物）がまた仕掛けました。Jeferson Starship、STARSHIPのボーカリストMicky Thomasをボーカルに冠した作品です。作曲や演奏をミュージシャン達に「発注」し、本人を招いて「パッケージング」してしまうというやり方。まあ、メンツの割には「歌わされてます」感が目立ってしまうのが欠点なんですが。まあ話題性はあるよな。
今回もSteve Lukather、Ritchie Kotzen、Neal Schonらがゲスト・ギタリストとして参加。曲もSTARSHIP全盛期のメロディアス。８０年代産業ロックの音ですよ。
産業ロック然とした前半は・・・うーん、毒がなさ過ぎ。シンプルなんですよね。個人的にはMickey Thomasというと、おどろおどろしいヴィデオクリップが印象的なStand In The Fireを思い出すんだよね。もっと深みを感じさせるものでないとなあ・・と聴いていると３曲目Thiefは８０年代の若いＵＳバンドがやりそうな曲。これはなかなかいい。あのころを思い出すね。
４曲目Eyes Wide Openはパワフルなバラード。いやあ、聴かせる聴かせる。ハイトーンで力強い声の持ち主だったMickey Thomasがまったく衰えてないことを実証したよ、この曲。ギターも素晴らしく、これまたあの頃を思い出し胸を厚くする曲です。
そして６曲目Forest For The Trees。これがなかなか良いですね。深みを感じさせる大人のサウンド。うん、この３曲目から５曲目の流れはアルバムのハイライトですね。
全体的にはソツなくできてるという印象。ソング・ライティングは外注と書きましたが、頼まれたほうはおそらくSTARSHIPを連想しながら書いたんではないかな？ ただし演奏はちょっと泥臭い部分も入れてあり、産業ロックながらも骨太に仕上がっています。Mickey Thomasはハイ・トーンの持ち主ながら南部出身でもあるわけですから、これが本来の立ち位置かも知れません。