ソロとしても２枚の作品を残しているRichard PageがSteve Georgeらと結成したバンド。メロディック・ロックとフュージョンがうまく溶け合ったＡＯＲ作品です。これがマニア受けしたものの、成功にはいたらなかったようです。その後、メンバーチェンジを経てPageはMR.MISTERを結成、Kyrie、Broken Wingsなどを全米ヒットさせ大ブレイクします。
さて本作はＡＯＲ色が強く、ＬＡらしいお洒落な音。ＬＡに端を発するＡＯＲとフュージョンとメロディック・ロック（チャート・ロック）はもともと根っこは同じ。だって同じ人（セッション・ミュージシャン）が演奏してるんやもん。スタジオミュージシャンが集まって結成されたTOTOなんかもそうですね。洗練されたＡＯＲとハードロックがポップに融合。ソロ作品はフュージョン色も強い。
このPAGESもその中間的なラインを狙っていて、洗練されたＡＯＲ。明るいメロディと透明感のある演奏はまさにＬＡポップ。フュージョンも好きなメロディック・ロックのファンとしてはこれは注目でしょう。
２曲目The Sailor's SongはSTEELY DAN風のお洒落で軽やかな曲。フュージョン・ギターも登場。
３曲目Take My Heart Awayはメロウなバラード。
４曲目Future StreetはＡＯＲ・フュージョン風。コーラスがお洒落で印象的。
６曲目Chemistryはファンキーなフュージョンに歌詞をつけたような感じ。
８曲目Keep on Movin'はブラスとコーラスが印象的。CICAGOをファンキーにしたような音。
メロディは悪くないし都会的なしゃれた雰囲気はばっちり。だが、印象に残りにくい。誠実に作られているが毒がなさ過ぎるのか。無難に出来ていてイマイチ個性的な音作りではない。クオリティは高いけど。当時、一部のＡＯＲファンだけにウケた「知る人ぞ知る」的な存在だったのもうなづけるよーな。
午後のＦＭに流れていそうな曲。都会的な雰囲気を醸し出すＢＧＭとしては最適かも。Michel Landouが好きな人に受けそう。